副住職のはなし
新潟市葬儀社・家族葬・高額なエンバーミングは必要か
副住職のはなし先日檀家さんが亡くなりまして枕経をあげにお宅に伺いました。お経をあげて日程の打ち合わせをしようと葬儀社に電話を掛けましたら10時にならないと打ち合わせできませんと言われて、２時間ほど檀家さんと待ちました。
担当者の方が来られて日程の打ち合わせが終わり座っていたらこれから葬儀内容の契約だからお坊さんはもう必要ないですよと葬儀社の担当者に帰るように催促されました。
なんだが怪しいなと思いまして、「檀家さんなのでわたしは帰りません」と申しまして、契約内容を檀家さんと一緒に検討しますと伝えました。
互助会に入るシステムの葬儀社で、出された見積もりを見たのですが高いなと感じました。まあCMや結婚式場もやっているので高いだろうなとは予想していました。
互助会システムも問題ありで入って貰うと割引価格ですよと提示される金額も他社と比べると高いです。
※互助会も解約するとお金が戻ってきます。解約手数料も１０％前後でしょうか。解約してでも他の業者さんを使うと安くなります。３０名程度の家族葬で全部含めて８０万円前後の葬儀社さんもあります。大手だと２００万円近く掛かったりすることがあるようです。
そもそも互助会に入らないとこの価格ですよと提示される金額が非常に高いので、その値段で誰が使うのかと感じますし参考にならないなと感じました。
高いなと感じながらも檀家さんと相談して、言いにくそうなところはわたしが口出しして費用を抑えたのですが、エンバーミングという遺体の血を抜いて薬品を体内に注入して綺麗に保つ技法を提示されました。
一般的に行われる湯灌とは別に行う方法で、主に土葬で埋葬される海外で行われるようです。ところがこの業者さんの場合は血を抜いたりして行うエンバーミングでは無さそうです。具体的に何をするのか説明もなく、どのような方法でご遺体の状態を保つのか不明でした。
したがって良くわからないエンバーミングと称するサービスは必要なく、ご遺体も通常の湯灌を行えば良いと判断しました。
仮にきちんとしたエンバーミングを行うといっても海外にご遺体を送る場合は必要ですが、日本で数か月ご遺体を安置する事も無ければ全く必要ありません。ドライアイスだけでも1週間は状態を保てます。
そして価格も互助会以外は２０万・互助会員だと１５万と提示されました。その売り込みの方法も考え物で、亡くなった方の顔の状態が悪いと言って薦めるのですが失礼だと思います。拝見して状態が悪いとは感じませんでした。
そもそもご遺体の状態が悪いって基準は何でしょうね。本当に状態が悪いと先に焼いてお骨にしてから、骨葬といってお骨で葬儀を出します。孤独死された方で見つかるまで時間が掛かった場合や水死された方も骨葬で葬儀をいたします。
葬儀社も商売ですから儲ける事は当然でしょうが、必要ない高額なサービスを家族が亡くなって茫然としている方に色々とセールストークをしてすすめるのはどうなんでしょうね。
基本的なプランでも十分に利益が出ていると思いますが。
リーズナブルで親切な葬儀社さんも沢山あります。やはり情報を集めておくことは大切です。
坊主丸儲けという言葉もあり高額なお布施を要求するお寺もあるようですが、葬儀社にも注意が必要な所があるように思います。