副住職のはなし
名前を忘れると迷子になる
副住職のはなしこの言葉は千と千尋の神隠しでハクという少年が主人公にかける言葉です。このセリフにとても感銘を受けます。
理由は私の事を言われていると感じるからです。
ずーっと名前なんか気にしないで生きてきました。その生き方とは理想を描いて邁進するために、弱い自分を見捨てて、弱さを軽蔑する生き方です。
人は誰でも弱いのです。ですから弱さを否定すると自分が2つに引き裂かれます。
先日あるお母さんが娘さんを亡くしまして、お参りに通っていたのですがある時に、泣いてばかりいてもダメですねとおっしゃられました。私は好きなだけ泣いてくださいとお母さんに伝えました。
涙は戻ると書きます。泣くことは戻る事なんでしょう。涙を流す・泣くことにおいて人は迷子の道から戻り、引き裂かれた者は、いのちを感じ回復する。そのような時を涙は表しているように感じます。