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副住職のはなし

土と話をするひと

副住職のはなし

隣の村で法事がありお斎の席で檀家の農家のお父さんと一緒になった。

雑談をする中で話がお米の事になり田んぼのつちの事に話が及んだ。

 

お父さん曰く気温や日の当たり方も大切だけど、一番大切なのは土だと。

肥料をやり過ぎてもダメだし、適切な量をあげるのだけどもそれがとても難しく毎年勉強との事である。

その言葉が心に残った。

 

一生学生という言葉がある。安田理深という仏教者が弟子に向かってよく「君らは大家になっていないか。僕はまだ学生なんだよ」と声をかけていたそうである。

 

私も師からその言葉をよく聞いている。そして師や農家のお父さん達に垣間見れる毎年勉強する姿勢は、決して速度を速めて高い所に上がって偉くなるという方向ではなくて、ゆっくりと深く土の中へ根を張るような生き方である。